2009-01-01から1年間の記事一覧

タイキバンセイ

大 器 晩 成 鐘や鼎のような大きな器は作り上げるのに時間がかかるということ。転じて、大人物は遅れて才能や頭角を現すという、つまり、偉大な人物は、じっくり時間をかけて実力を養っていくため、他人より大成するのに時間を要するという意になった。「大…

ケイテンアイジン

敬 天 愛 人 天を敬い、人を愛する。天を敬し、人を愛する。 「敬天愛民」「敬天撫民」ともいう。 ★ この語は、今日ではたとえば敬宮愛子さまのお名前の由来になったり、京セラの社是にもなったりして、たいそう広く知られている四字熟語と言える。 そして、…

ゼンゴフカク

前 後 不 覚 正体がはっきりしないこと。意識が朦朧として、時間の後先が分からなくなること。泥酔したり、気を失ったりする状態。「意識朦朧」「人事不省」「茫然自失」ともいう。 ★ 「前後不覚」というと、どうしても酒に飲まれた酔っぱらいのイメージが強…

シチドウガラン

七 堂 伽 藍 寺院の主要な七つの建物。または七つの堂を揃える大きな寺院のこと。 「七堂」は、宗派によって異なるが、古くは『聖徳太子伝古今目録抄』に金堂、塔、講堂、鐘楼、経蔵、僧坊、食堂の七つとあり、禅宗では山門・仏殿・法堂・庫裡・僧堂・浴室・…

グチムチ

愚 痴 無 知 愚かで知恵が浅いこと。仏教の三毒の一。 「迂愚痴鈍」「頑愚痴鈍」「愚痴闇鈍」「愚痴暗蔽」「愚痴鈍根」「愚痴鈍拙」「愚痴蒙昧」等とも言う。 ★ 今日あまり使われないが、古い言葉である。仏典に用例が多い。 『仏説大方広十輪経』に用例が見…

シンシチブンドウ

身 七 分 動 心を十分に動かして、身を七分に動かせという教え。演劇用語。 「動七分身」「動十分心、動七分身」とも言う。 ★ 世阿弥「花鏡」が出典である。 《たとひ急なる能を、御意によりて仕るとも、心中に控へて、さのみにもまで、身七分動を心得て、な…

キドアイラク

喜 怒 哀 楽 人間の持つさまざまな感情の総称。喜び・怒り・哀しみ・楽しみ。 「機嫌気褄」「嬉笑怒罵」「喜怒哀愁」「悲喜憂苦」とも言える。 孔伋(子思)?『中庸』の次の一節が出典である。 《喜怒哀楽の未だ発せざる、之を中と謂ふ。発して皆節に中る、之…

ナンセンザンミョウ

南 泉 斬 猫 (意味不明、解釈不能) 「南泉」は、禅僧の名前。南泉普願。「斬猫」は「ネコヲキル」と読んでもよい。 ★ 禅宗の公案の中でもとりわけ難解とされるものの一つ。 無門慧開『無門関』の第十四則には、こんな話がある。 唐の時代。南泉和尚という…

ミョウアンソウソウ

明 暗 双 双 昼と夜、表と裏、差別と平等、現実と理想、創造と破壊、自と他、個と普遍、ことわりとはたらき、清と濁、色と空……等々の二項が対立することなく一水に融合した宛然たる禅の一境地。 「迷悟双双」「理事不二」「理事無礙」「理事無礙法界」「兼中…

フウセイカクレイ

風 声 鶴 唳 風の音と鶴の鳴き声。または、些細なことに驚いたり、怖じ気づいたりすること。 「萎縮震慄」「影駭響震」「鶴唳風声」「疑心暗鬼」「跼天蹐地」「細心翼々」「小心小胆」「小心翼々」「戦々兢々」「戦々慄々」「草木皆兵」「落ち武者は芒の穂に…

ホウトウコウメン

蓬 頭 垢 面 身だしなみが悪く、むさくるしいさま。 「蓬頭」は調髪せず、よもぎのようにボサボサになった不衛生な頭髪を意味する。「垢面」は文字通り、洗顔しない垢と脂だらけの不潔な顔。読み方は「コウメン」でも「クメン」でもよい。他に「蓬髪垢面」「…

コウコクノココロザシ

鴻 鵠 之 志 遠大なこころざし。 「鴻」は「おおとり」、「鵠」は「くぐい」のこと。いずれも大きな鳥であり、そこから英雄や豪傑などの大人物のこころざしを言うようになった。「青雲之志」「図南鵬翼」にほぼ同じ。 ★ 司馬遷『史記』を見ると、正確には「…

タジタナン

多 事 多 難 事件や困難が多くて大変なさま。 類義語は「多事多患」、対義語は「平穏無事」である。 ★ 木下尚江「火の柱」に「多事多難なる明治三十六年」という言い回しが出てくるように、この四字熟語は「時代」や「国家」を説明する際によく使うようだ。 …

ビンシサエン

鬢 糸 茶 烟 若かりしとき派手に遊び耽っていた男も、年老いては閑寂な生活を送りつつ青春の日々を偲ぶという、そんな心境。ただし「鬢糸茶烟の感」「茶烟鬢糸の感」という風に「の感」を伴うのが通例のため、四字熟語としては掲出されないことが多いようだ…

サイカイモクヨク

斎 戒 沐 浴 神聖な儀式を前に、飲食や行動を慎み心身の不浄を洗い清めること。 「精進潔斎」「沐浴斎戒」「六根清浄」「和敬清寂」。 ★ 『孟子』の次の一節が出典である。 《孟子曰、西子蒙不潔、則人皆掩鼻而過之、雖有惡人、斎戒沐浴、則可以祀上帝。》 …

コフクゲキジョウ

鼓 腹 撃 壌 理想的な政治が行き届き、人々が平和な生活を送ること。 「含哺鼓腹」「撃壌之歌」。「光風霽月」としても、ほぼ同義か。「腹を鼓し壌を撃つ」と訓読することもある。 「鼓腹」は腹を太鼓のようにポンポコと打つこと。「撃壌」は地面を踏み鳴ら…

ゴショウダイジ

後 生 大 事 来世の安楽を最も大切にするという仏教の教え。転じて、物事を非常に大事にすること。 対義表現に「後生より今生が大事」という言い方もあるが、これは「後生が大事」のパロディ的表現であろう。 「後生」は、「後生畏るべし」のときは「コウセ…

シュウシュボウカン

袖 手 旁 観 そばにいるのに、懐手をして何もせず、成り行きに任せて、ただ見ていること。 「旁観」は「傍観」とも書く。「拱手傍観」「座食逸飽」「酔生夢死」「走尸行肉」「傍観縮手」という言い方もある。 頼山陽「一條天皇論」に「袖手傍観し、敢へて一…

キリャクジュウオウ

機 略 縦 横 策略を状況に応じて自在に巡らし用いること。 「奇策縦横」「機知奇策」「機知縦横」「機謀権略」「神機妙算」「神算鬼謀」「知略縦横」といった四字熟語もある。 夢野久作「山羊髯編輯長」に用例が見える。 《実際一つの新聞の編輯長となると、…

ハンブンジョクレイ

繁 文 縟 礼 法規、規則、礼儀作法などが細々していて、煩わしいこと。形式を重んじるあまり、手続きが煩雑になること。「無用の虚礼」「繁文錯節」「繁文縟節」「繁縟」ともいう。 徳富蘇峰「大日本膨張論」には次の用例がある。 《文明病とは何物ぞ。(中…

カロトウセン

夏 鑪 冬 扇 「夏炉冬扇」とも書く。 夏の囲炉裏や冬の扇のように時期はずれなもの、無用なもの、役に立たないもののことをいう。君主の信用や寵愛を失った者、恋人に捨てられた女性をいうこともある。 「冬扇夏炉」「冬箑夏裘」(トウソウカキュウ)「六菖十菊」(リ…

シンショウノヘダテ

参 商 之 隔 互いに遠く離れて会う機会がないこと。夫婦や親友が仲違いしたり離別したりすること。読み方は「シンショウノカク」でもよい。 「人生相見えざること、参商の如し」「参商一隔」「燕雁代飛」とも言う。 古代中国では、空の星を二十八の星宿に分…

バンリカイタク

万 里 開 拓 遠大な荒野を切りひらくこと。大業を成し遂げること。 「万里長風」「万里之望」とも。 さて、友人の失敗を慰め、励ますのは、殊の外、骨が折れることである。 慰める側の軸がぶれると沈鬱な気持ちがこちらにも伝染してきて、ついには共倒れに終…

イチゲツサンシュウ

一 月 三 舟 舟を浮かべて月を見るとき、舟が止まっているときは月も止まって見える。しかし、舟が南に行けば月も南へ行き、逆に舟が北に動けば月も北へ向かう。このように舟の動静によって月の見え方が異なって見えるのと同じく、衆生は仏の教えをさまざま…

ゴウキボクトツ

剛 毅 木 訥 意志は強く挫けない性格なのに、無口で飾り気は無い。 「剛毅」が意志が強いことを表し、「木訥」が無口で無骨なことを指す。「木訥」は「朴訥」「朴吶」とも表記する。 対義語は「巧言令色」。類義語には「剛健質実」「剛健質朴」「志操堅固」…

イフウドウドウ

威 風 堂 々 威厳があり、立派なさま。 「威風凛然」「威風凛々」「威武堂々」「英姿颯爽」「高邁奇偉」「揚武揚威」「容貌魁偉」ともいう。 さて、この四字熟語を扱うには、いつもとは違って、クラシック音楽の話から始めなければなるまい。 エドワード・エ…

ヒジョヒョウカ

飛 絮 漂 花 女性がつらい境遇のために身を落とし、頼りもなく苦労すること。「飛絮流花」ともいう。 「絮」はもともとは綿の意だが、「細敍絮説」「絮語」「絮煩」「絮々綿々」などというときは「くどくどしくて、窮屈」といった意味にもなる。また、柳の綿…

テッコツテツズイ

徹 骨 徹 髄 骨身にしみて痛感すること。物事の核心まで達すること。 「骨髄に徹す」という表現の、いわば四字熟語版。 夏目漱石『吾輩は猫である』に用例がある。 《ややあって主人は「なるほどきたない顔だ」と独り言を云った。自己の醜を自白するのはなか…

タイセイシッコ

大 声 疾 呼 大声で激しく叫ぶこと。「疾呼」は、早口で叫ぶの意。 「疾声大呼」「励声一番」「励声疾呼」ともいう。 有島武郎「星座」に用例がある。 《言葉は俺の方が上手だが、貴様もそんなことを言ったな。けれども貴様、それは漫罵だ。貴様はいったい何…

チョウシンルコツ

彫 心 鏤 骨 「彫」は「ほる」、「鏤」は「きざむ」の意。 心に彫りつけ、骨に刻み込むこと。具体的には非常に苦労して何かを成し遂げること、特に詩文などを苦労して彫琢することをいう。 「刻骨銘肌」「刻骨銘心」「彫肝琢腎」「銘肌鏤骨」「銘心鏤骨」と…