漢検二級

チュウトハンパ

中 途 半 端 どっちつかずで片づかないこと、不完全で未完成なこと、最後まで徹底しないこと。 ★ 二葉亭四迷「其面影」に用例がある。 《「君は能く僕の事を中途半端だといって攻撃しましたな」》 「平凡」という標題の作者でもあった二葉亭四迷という人ほど…

テットウテツビ

徹 頭 徹 尾 最初から最後まで同じ方針を貫き通すさま。100% 「一伍一什」「一部始終」「終始一貫」「首尾一貫」ともいう。 ★ 『河南程氏遺書』第十八の以下の部分が出典である。 《「不誠無物、誠者物之終始」、猶俗説徹頭徹尾不誠、更有甚物也。》 ★ 夏目…

ジキショウソウ

時 期 尚 早 行う時期がまだ早すぎること。「尚早」の「尚」は「なお、まだ」の意。 対義語は「時機到来」。 ★ W・S・モーゼス「霊訓」(浅野和三郎訳)に次の用例が見える。 《若しもわれ等の述ぶる所が時期尚早で、採用を憚るといふなら、しばらく之を打…

テンジョウムキュウ

天 壌 無 窮 天地の無限の広がりとともに、永久に不滅であること。「天地長久」「天長地久」「百載無窮」。 ★ 『日本書紀』神代紀が出典である。 《豊葦原千五百秋瑞穂の国は、是、吾が子孫の王たるべき地なり。爾皇孫、就でまして治らせ。行矣。宝祚の隆、…

ケイキョモウドウ

軽 挙 妄 動 深い考えのないまま、軽はずみな行動に出ること。 類義語は「軽佻粗暴」「軽慮浅謀」「短慮軽率」であり、対義語は「隠忍自重」「熟慮断行」「泰然自若」である。 ★ 頼山陽『日本政記』が出典である。 《軽挙妄動して、以て天下の老姦巨猾を図ら…

ジュウトオウマツ

縦 塗 横 抹 乱暴に書き殴ること。気ままに書いたり、消したりすること。 「抹」は「抹消」の「抹」で、塗り消すの意。 ★ 徳富蘆花「思出の記」に用例がある。 《得々の状は乱筆御判読も出来兼ぬる縦塗横抹の書翰紙に溢れ》 ★ ちなみに「縦塗横抹」は縮める…

コフクゲキジョウ

鼓 腹 撃 壌 理想的な政治が行き届き、人々が平和な生活を送ること。 「含哺鼓腹」「撃壌之歌」。「光風霽月」としても、ほぼ同義か。「腹を鼓し壌を撃つ」と訓読することもある。 「鼓腹」は腹を太鼓のようにポンポコと打つこと。「撃壌」は地面を踏み鳴ら…

タイガンジョウジュ

大 願 成 就 神仏のご加護によって大きな望みがかなうこと。 「大願」の読み方は通例「タイガン」だが、「ダイガン」とも読むようだ。 武者小路実篤『真理先生』の中に「大願成就」について演説するくだりがある。 非常に長いくだりだが、下手にコメントをす…

カンリトウエキ

冠 履 倒 易 人の地位や物事の価値があべこべで、秩序が乱れていること。出典は『後漢書』楊賜伝の「冠履倒易、陵谷代處」。「冠履雑処」「冠履転倒」「冠履倒置」「本末顛倒」とも言う。三字熟語なら「下克上」か。 「冠履」という言い方はよく使う。たとえ…

エシャジョウリ

会 者 定 離 生あるものは必ず死す。出会いがあれば必ず別れも来る、という仏教の教え。出典は『遺教経』の「世皆無常会必有離」である。 『平家物語』の維盛入水の場面に「生者必滅、会者定離はうき世の習ひにて候也」とある。だから類義語は「生者必滅」あ…

ホウゾウカシン

包 蔵 禍 心 悪い企みを心に隠し持つこと。「包蔵」は包み隠すこと、「禍心」は悪い計画を企むこと。「包蔵」の代わりに「暗蔵」「隠蔵」「深藏」「内蔵」「窩藏」等を用いることもある。 出典は『春秋左氏伝』昭公元年の「将恃大国之安靖己、而無乃包蔵禍心…

カブンショウケン

寡 聞 小 見 見聞が狭く、わずかな知識しかないこと。世間知らずであること。 自己を謙遜して言うときに使われる。「寡見小聞」「寡見鮮聞」「寡聞鮮見」「浅見寡聞」ともいう。あるいは「寡聞浅学」「寡聞浅識」「小智小見」「浅学寡聞」「浅学短才」「浅学…

ショウシンショウメイ

正 真 正 銘 全くうそいつわりのない本物であること。「正銘」とは元を正せば刀剣に正しい銘が刻印されていることを言い、偽りがないという意になった。「正真」も偽りがないという意味であり、同義の二字熟語を並べて強調するタイプの四字熟語である。「正…

トウコウリュウリョク

桃 紅 柳 緑 紅の桃の花と、緑の柳。そうした春の景色のコントラストの妙を「桃紅柳緑」という。 「柳緑花紅」「鳥語花香」「柳媚花明」「花紅柳緑」「柳緑花紅」「柳緑桃紅」などとも。 出典は、王維の「田園樂」という詩。王維は画家でもあった。 《 桃紅…

ケンワンチョクヒツ

懸 腕 直 筆 書道の書法。筆を垂直に持ち、腕をあげ、肘を脇から離して字を書きなさいという教え。 『古今法書苑』に「懸腕枕腕」という四字熟語がある。書道の書法には大きく二種あるということを表す。「懸腕」が腕を浮かせて肘を下につけない書法、「枕腕…

イチロウエイイツ

一 労 永 逸 一度苦労しておけば、その後は永久にその恩恵に浴して、安楽な生活を送ることができるということ。あるいは、ほんの少しの骨折りで多くの安楽が得られるということ。訓読すれば「一たび労して永く逸んず」となる。「逸」は「やすんず」と訓読し…

ヒャクハチボンノウ

百 八 煩 悩 仏教語。悟りの妨げになる人間が持つ多くの迷いの謂。出典は『智度論』。「百八結業」( ヒャクハチケチゴウ )ともいう。 A〈そんなこといってると百八が鳴り出さあな〉 B〈彼は今や西へも東へも行詰まっている。立往生をする代りに、籠堂へ坐り込ん…

コウカホウギン

高 歌 放 吟 あたりかまわず大声で歌い、吟ずること。転じて、周囲を無視して、偉そうな態度をとること。「高歌」とは大声で歌うことでり、「放吟」とは声を張り上げて詩歌などを吟ずることである。「放歌高吟」「放歌高唱」ともいう。「高談闊歩」「高談笑…

セイセイルテン

生 々 流 転 万物は絶えず生じては変化し、移り変わっていくという意味である。「生々」(「生生」)とは物事が次々と生まれることを表し、「流転」は絶えず移り変わることを意味している。 読み方を「 ショウジョウルテン 」にするか「 セイセイルテン 」にするかで少し悩…