漢検三級

ダイタンフテキ

大 胆 不 敵 度胸が据わっていて、動じたり恐れたりしないこと。 「豪快奔放」「剛毅果断」「広壮豪宕」「剛胆無比」「大胆千万」「大胆奔放」ともいう。 ★ 近松門左衛門『国性爺合戦』に用例がある。 《「御聞き及びも候はん某は古への鄭芝龍と申す者、只今…

シリメツレツ

支 離 滅 裂 統一がなく、ばらばらで筋道が立っていないこと。めちゃくちゃ。 「四分五裂」「乱雑無章」ともいう。 ★ 坂口安吾「篠笹の陰の顔」に用例がある。 《発狂といつても日常の理性がなくなるだけで、突きつめた生き方の世界は続いてゐる。むしろ鋭く…

タキボウヨウ

多 岐 亡 羊 学問の筋道があまりに多方面に展開しすぎて、真理を見失ってしまうこと。 指針や進路など、人生の選択に迷う場面についても使う。 「岐路亡羊」「亡羊之嘆」ともいう。 ★ 列御寇『列子』〈説符〉が出典である。 《心都子曰、「大道以多岐亡羊、…

コウセキボクトツ

孔 席 墨 突 休む暇がないほど忙しく奔走するさま。 世のため人のために働き、自分のための時間がないさま。 「孔席不暖」「孔突墨席」「墨突不黔」「東奔西走」「孔席暖まらず墨突黔まず」「席暖まるに暇あらず」などとも言う。 ★ 班固「答賓戯」(『文選』…

カンコンソウサイ

冠 婚 葬 祭 慶弔の儀式。四大礼式。 「冠」は冠礼すなわち元服を、「婚」は婚礼を、「葬」は葬儀を、「祭」は祖先を祭る祭礼を表す。 原典に合わせて「冠昏喪祭」と書くこともある。中国語では「冠婚喪祭」と記す。 ★ 『礼記』〈礼運〉が原典である。 《其…

キドアイラク

喜 怒 哀 楽 人間の持つさまざまな感情の総称。喜び・怒り・哀しみ・楽しみ。 「機嫌気褄」「嬉笑怒罵」「喜怒哀愁」「悲喜憂苦」とも言える。 孔伋(子思)?『中庸』の次の一節が出典である。 《喜怒哀楽の未だ発せざる、之を中と謂ふ。発して皆節に中る、之…

タイセイシッコ

大 声 疾 呼 大声で激しく叫ぶこと。「疾呼」は、早口で叫ぶの意。 「疾声大呼」「励声一番」「励声疾呼」ともいう。 有島武郎「星座」に用例がある。 《言葉は俺の方が上手だが、貴様もそんなことを言ったな。けれども貴様、それは漫罵だ。貴様はいったい何…

ホウタンショウシン

放 胆 小 心 謝枋得『文章軌範』という書物がある。科挙の受験生のために、韓愈・柳宗元・欧陽脩・蘇洵・蘇軾・蘇轍ら、唐宋の名文六十九編を精選した至れり尽くせりの参考書だ。 一般的にいえば、“放胆”も、“小心”も、人の性格を表す言葉である。“放胆”は大…